TIM Labs
MATH POWERも、開始24時間を過ぎ、じわじわと埋まってくるのだが、よく見るとこんなミスが発生しているのだ。

DSCN0890 (600x448).jpg
D1の上の9x9(青枠)は埋まっているのだが、その右の9x9の青枠の中で矛盾が発生している。
重なっているオレンジ枠の最上段が、6 2 5 9 _ 31 _ _ となっているのだが、この1の右マスには入れられる数字がないのだ。
つまり、どこかが間違っている。

答の同じ部分:
anspart1.png
D1の上の9x9の中にミスがかなりある。
ということで、親切に間違っているところをどんどん消すことで応援することにした。

実は、これをやると忙しい。
どこに発生するかわからないので、答を持っているからといって、全マスチェックするのは大変だ。
最終的にどこまで(何合体)完成したかの確認のために、チェッカーが2名いる。
だから、チェッカーというより、ミスに陥って、ミスが蔓延するのを適当に防ぐ必要があるので、効率よくチェックすることにした。

10月7日、8日に東京青山のスパイラルホールで32時間連続のイベント「数学の祭典 MATH POWER 2017」が開催された。
イベント全体の内容は、以下のページで見られる。
MATH POWER 2017 のイベントを一気に35時間見たければ、ニコニコ動画で見られる。

mathpower2017.pngのサムネール画像   

多数の来場者で解かれた247合体の問題は、MATH POWER 2017 の公式ページにて公開中。


さて、247合体は、ホールに入る前のホワイエの、受付の裏側に、横6m、高さ1.5mで貼られていた。 表面はホワイトボード状になっていて、細字のマーカーで書き込む。
開場直前の写真である。
どうして照明が不足するので、上にライトを並べてある。


247GATTAI.JPG
MATH POWER 2017が近づいてきた。
参加される方は注意:場所が、六本木のニコファーレから、青山のスパイラルホールに変更になった。
詳しくは、以下で確認を。

mathpower2017.pngのサムネール画像


さて、「もっと社会に数学を」ということで、今回は巨大合体ナンプレではなく、数学の、それも思いっきり飛んだ数学の本を紹介しよう。

パリコレで数学を (419x600).jpg
パリコレで数学を
les mathématiques au défilés de mode

サーストンとポアンカレ予想

著者   阿原一志
ISBN   978-4535788145
判型   A5
ページ数 186
発行   日本評論社
発行日  2017/8/25

サポートページ





ISSAY MIYAKEのパリコレに数学を取り入れよう。
それも、超難解で有名なポアンカレ予想を元にしたイメージでデザインしようということになり、数学的な説明をするにはこの先生が適切と推薦されたのが著者の阿原氏である。
氏は、最近話題の明治大学総合理工学部(中野キャンパス)先端メディアサイエンス学科・FMSの教授である。
本書は、著者がISSAY MIYAKEのクリエイティブディレクターの藤原大氏への対話の形式である。

副題にもある「ポアンカレ予想」についてはまったく詳しくないので、そのあたりの説明は無視して読んだが、それでも読み進めばなんとなく「絡み目」について分かってくる。

本を開くと、カラーのファッションショーの写真が続き、その後に本書で延々と説明がある「絡み目」、要するに紐などの写真がある。
この写真を見たとき、著者はパリで指導したのかと思ったら、日本で教えただけらしい。

最初に、サーストン教授から渡された「8つの宇宙の形」という絡み目の絵が出てくる。
この8つの絡み図は、幾何化予想に対応しているのだが、詳しいことは説明できないので、自分で調べて欲しい。
絵は紐が絡まっている図なのだが、それが宇宙とどう関係しているか、幾何学と関係しているかの説明が延々と続いて1冊の本になっている。

トポロジーの世界なので、図がどんどん変形していく。
面を曲げて貼り付けたり、伸ばしたりするのであるが、複雑になってくると想像がしだいに困難になり、頭が絡んでしまう。
目で追っていくだけで、結局は同じ絡み目であることが分かることもあるが、困難なものは実際に紐で同じものを作り、ごちゃごちゃ弄り回すと、あるとき突然同じになって、同じこと(同相)は分かったが、変形手順は謎のままで終ることが多かった。

本書には、数式がほとんどない。
それでも、数式レベルのことも知りたい読者のために、各章の最後に宿題がり、計算問題が入っている。

本書は、どういう人が読むのであろうか?
位相数学をちゃん勉強する人は、他書を読むと思う。
それより、数学と社会、デザインの関係などをぼんやりと理解する、イメージするための本であろうか。
数式なんてもう何年、何十年も書いていないような人でも、最先端の数学の一端に触れることができる本と言えば良いだろうか。
MATH POWER 2017で挑戦してもらう247合体ナンプレ関連についてあれこれ書いてきたが、もうイベントの日が間近だ。
ということで、合体ナンプレでしか経験できないような事を紹介しよう。

次の図の状態まで解き進んだとしよう。
まだ決まるところは色々あるのだが、非常に特徴的な決まり方がある。
それも、連続技といか、芋づる式というか、どんどん決まるのがある。

どんどん決まるのは、9x9の普通のナンプレでもあるのだが、この問題では、ある数字について、かなり広範囲に決まっていくので、次を見る前に、ぜひ自力で見つけてみよう。

candidate4 (700x686).jpg何が芋づる式かを以下に示す。

合体ナンプレを解くとき、マスに入れる数字が1つに決まる場合は良い。
しかし、そういう場合は少なくて、いくつかの数字が入る可能性があるのが普通だ。
マスに入る可能性が残っている数字のことを「候補」という。
何の制約もないとき、マスには1から9までの9個の候補がある(最大)。
しかし、注目しているマスが入っている行、列、ブロックにある数字は、そのマスに入れることができないので、候補から消す。
すると、数個の候補が残る。

candidate1.png しかし、これでも大変だ。

最初に、全ての空きマス(未決定マス)に候補を全部書き込んでいる人を見かける。
9x9のナンプレでも、もし50マス空きがあり、平均4個候補を書こうとすると、200個も数字を書かないといけない。
それに、多数の小さな数字を書き加えると、盤面が非常のごちゃごちゃしてしまう。

そういうこともあって、ナンプレに慣れている人は、少しの候補だけを効率よく書き加えては考えるのが普通だ。
たとえば、こんな感じに書き加える。

candidate2a (600x587).jpgある数字の候補を入れられるマスが9マスよりなる同じ縦列、横列、ブロック内に2マスだけになった場合に書き込むことが多い。
さらに、その2マスが縦か横に2マス連続している場合、2マスの中央(境界線上)に書くことが多い。、

青の丸数字は、初期状態で決まる数字であり、丸の無い青色は、問題およびその後に決まった数字の影響で確定したもの。
そして、小さい紫色の数字が候補である。

上の途中図は、適当な解きかけの状態である。
候補まで考えなくても、まだまだ決められる箇所はあるのだが、全部きちんと調べるのは人間には難しい(コンピュータにはやさしい)。

さて、上の図の状態で、候補同士の影響で決まる箇所がある。

印刷物として合体ナンプレを提供する場合、印刷はふつうはモノクロである。
理由は、色を使うとコストが掛かるので、どうしても単色になって、明暗で区別するくらいである。

しかし、巨大合体パズルとなると、9x9の盤面の境界を間違えて、縦9マス、横9マスを間違えるということを書いた。
そのために、一部の外枠をカラーにすることにしたのだが、もっと進めて、2種類の枠を異なる色にした上で、オレンジ色の外枠は2重線にした。


QPartC.png
外枠を2つの異なる色にしたので、うっかりミスはほとんど避けられるはずだ。
通常は上のカラーだけ確認して済ますことが多い。
しかし、今回は、グレースケールもちゃんと作って確認してみた。

4Kディスプレイが非常に安くなってきたこともあり、4Kディスプレイをubuntuマシンに繋いで使っている。
最近は、巨大合体ナンプレもubuntu上で作っているのだが、マスの数が非常に多く微細ななってきたので、4Kディスプレイは非常に助かる。欲を言えば、横方向だけ2倍の長さのディスプレイが欲しいところだ。

4Kディスプレイで見ると、全体を表示しながら作業できるので、作業がスムーズに進むのだが、ときどきカーソルが行方不明になる。
つまり、画素が細かくなった分、マウスカーソルのサイズを大きくしてくれないと、カーソルが非常に見難くなる。
たとえカーソルを動かしても、カーソルがどこを動いているのかわからないことがある。

Windowsだと、コントロールキーを押すと、カーソル位置を中心とした円が表示されるので、場所の特定が簡単だ。
でも、ubuntuでは、その機能はないらしい。

ということで、ネットで同様の件で困っていて、対処している人がいるのではないかと探したら、結構わさわさと説明がでてきた。

1. dconf-editorをインストールし、実行する。
    sudo apt-get install dconf-tools
      
2.エディタ内のマウスカーソルサイズ指定部分の値(カーソルサイズ)を希望のサイズに変更する。
  ただし、その場所がわかりにくいし、面倒なところに隠されている。
    スキーマ    org.gnome.desktop.interface

    キー名     cursor-size 

    キー値     現在の値を、希望の値に変更する

 キー値を変更すれば、その値はセーブされているようだ。

3, 変更した設定をデスクトップに反映させるために、次のupdateを行う。
    update-alternatives --config x-cursor-theme


たったこれだけであるが、知らないと我慢して使い続けるかもしれない。


この操作によってマウスカーソルが大きくなるのだが、一部のウィンド(アプリ)ではマウスサイズの調整を行っているので、すべてのウィンド上で同じサイズになるわけではなく、ウィンドウの出入りのタイミングでマウスが大きくなったり小さくなったりする。


不便だと思ったら、広い世界では誰かが問題解決してくれているものだ。

マウスカーソルだけでなく、さまざまなものも変更できそうだが、以下省略。


参考ページ: [Ubuntu][自分用メモ] Ubuntu 12.10環境でマウスカーソルのサイズ変更を行う方法。




MATH POWER のイベントが着々と近づいている。
なかなか詳細が決まらなかったのだが、最終的な合体数が決まった。
図ではこんな感じだ。

MATHPOWER247frame.pngブロク上では非常に細かくなっているが、右クリックで図だけを表示して見て欲しい。
ちゃんと9x9の板が247枚重なった状態になっている。

小さいマスで数えると、縦方向69, 横方向273である。
69x273 = 18837マスとなるのだが、これでは空き(穴)部分まで含まれてしまうので、ちゃんと計算してみよう。

247x81 = 20007 マスになるが、これでは重なっている部分が2重にカウントされているので、取り除く。
重なっている部分は3x3のブロックで、これが、縦に10段、横に44列あるので、全体のマスの個数は
247x81 - 10x44x9 = 16047個ある。
このうち数千個には最初から数字が入っており、その数字(ヒント)を参考に解き進んでく訳である。

ヒント数は4000前後を予定しているので、書き込まないといけない空きマスは、約12000マスである。
これを33時間くらいかけて解いて欲しいので、平均で1マスあたり6秒で解けばよいことになる。
5人で同時に解くならば、1人30秒で1マス書き込めば大丈夫である。
これは、かなりじっくり考えてながら解くペースである。
9x9に換算して、1枚約30分かけられるので、つい難問にしても大丈夫かと思うのだが、それは来場者のナンプレ能力に強く依存するので、試し解きして調整の予定である。

ところで、合体ナンプレを作る機能は以前からあったのだが、さすがにこんなに巨大な合体は注文されたことがなく、9x9の板を配置するGUIを作って、色々特殊な配置も対応できるようにしていた。
なので、いままでのソフトでも可能ではあるのだが、人手で274枚配置するのはプログラマとしては耐え難い苦行である。

ということで、上図のように規則的な配置の場合は、全体の枠(今回は、69x247)を与え、配置パターンボタンを押すだけで上図の配置ができるようにした。
実際のサイズは、会場都合、撮影都合、現場都合、問題製作都合など様々な要素があって、イベントでよくあるようになかなら決まらなかったのであるが、人手で配置しなかったので、サイズに関しては、かなり気楽に対処できた。

あとは、ヒント配置をデザインし、難易度の設定をして実行ボタンを押すだけ(かな)。

mathpower2017.pngのサムネール画像   


20170914115721902_0001 (403x600).jpg

なっとくする群・環・体

著者    野崎昭弘
ISBN         978-4-06-154572-4
判型          A5 
ページ数    198ページ
発行年月    2011年2月25日
発行     講談社
本体価格    2,700円

微積、線形代数だけではなく、現代数学にちょっと触れてみたいなということになるど、代数学の入り口である、群・環・体を知らねばならない、と思いちょっと読んでみた。

本書は、群・環・体の基本をできるだけ具体的な例を多くして、分かりやすく書いているのでお手ごろである。
しかし、ときどき筆がすべったためだと思うのだが、一部は定義、定理?証明が延々と続くこともあり、ハードな部分もある。まあ、そういう箇所では、ハードになるがとの前触れはあった。

易しくしながら、群・環・体を一通り書こうとしているので、しばしば証明や説明が飛ばされることがある。ページ数を抑えるということで、そうなってしまったと思われるが、範囲はこのままで、さらに丁寧な説明であると、本当に初心者向きになったのではと思う。

最終的な目標は代数方程式論、5次以上の代数方程式は代数的には解けないことを説明するつもりだったらしいが、そのために群・環・体の説明を始め、アーベルやガロアの紹介はあったが、代数方程式論については他書でどうぞということで終っている。

著者の色がかなり強く出ている本である。つまり、自己主張が強いのである。このあたりは好みの問題かと思う。

・・・なんてことを書いたが、自分で現代数学の勘がつかめたところまでいけてないように思う。
読んでいて、すべてがスッと納得できるところまではいかず、もやもやも少し残っている。
これは、抽象的な数学分野であればあるほど、本を読んでも掴みどころのなさに苦しめられる。
それでも、あれこれ読んでいると、いつの日か、全体像が見えてくることがある(のかなぁ)。

本書以外で同じ分野を扱った有名な本に、『群・環・体入門』新妻 弘、木村 哲三 共著、共立出版がある。
こちらは、同名の演習書もあり、もっと普通の入門書ではないかと思う。

群・環・体については、代数学の本の最初に載っている場合も多く、本書よりも高いレベルの本が多いらしい。


合体ナンプレ館09 (467x600).jpg『合体ナンプレ館 Vol.9』 本日発売

巨大な合体ナンプレを突然解くというのは難しい。
でも、ちょうど良いタイミングで、本日『合体ナンプレ館Vol.9』が本日発売になった。
これに載っている問題、とくに難問に分類されている問題を今から解いて鍛えれば、まだ間に合う。
ぜひ練習しよう。


合体ナンプレはどこから手をつければよいのか?

初めて解くときには、普通のナンプレを解きなれていても迷うかもしれないので、ちょっとだけ解き方を説明する。
もし自分で解き方を見つけたいと思う場合は読まないほうが良い。
でも、今回は、とても基礎的な部分だけしか説明はしない。

では、始めよう。

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